医療者用・初期評価
1 失神として矛盾しないか
突然発症し、短時間で自然かつ完全に回復する一過性意識消失かを確認します。
2 基本的な初期評価
病歴、身体所見、12誘導心電図の確認状況を記録します。
3 心原性を疑う高リスク所見
1項目でもあれば、心原性失神を念頭に早期評価を優先します。
4 反射性失神に整合する所見
5 起立血圧
臥位と起立後3分以内の値を入力します。未測定なら空欄のままで構いません。
所見を入力してください
該当項目を選ぶと、評価上の優先事項と理由を表示します。
カルテ記載用まとめ
選択した所見だけを文章化します。患者識別情報は入力せず、カルテへコピー後は「入力をクリア」で破棄してください。
医療者用・追加評価
原因別に次の確認事項を整理
初期評価で得られた所見に対応する経路を表示します。複数の経路が同時に表示されることがあります。
発作の経過と影響
原因にかかわらず、追加評価と安全指導に関係する項目を確認します。
心原性失神を疑う経路
該当した所見
次に確認すること
- 基礎心疾患と心機能を確認し、必要に応じて心エコーを検討する
- 不整脈が疑われる場合は心電図モニターを行い、発作頻度に応じて長時間心電図を選択する
- 労作との関連があれば、病態と安全性を考慮して運動負荷試験を検討する
- 早期評価、専門医相談、治療の必要性を臨床的に判断する
確認・検討した項目
起立性低血圧を疑う経路
- 起立と症状出現の時間的な一致を確認する
- 脱水、出血、食事、飲酒など循環血液量低下の原因を確認する
- 降圧薬、利尿薬、硝酸薬、α遮断薬などの関与を確認する
- 自律神経症状や関連する神経疾患の所見を確認する
- 朝、食後、運動後に悪化するかを確認する
追加で確認できた所見
反射性失神を疑う経路
該当した所見
次に確認すること
- 誘因と前兆が毎回おおむね一貫しているか
- 発作の頻度、再発傾向、外傷の有無
- 前兆時に安全な姿勢を取れるか
- 脱水、長時間の立位、飲酒、関連薬剤など修正可能な増悪因子
追加で確認できた所見
原因不明の失神として追加評価
- 発作頻度、再発性、外傷の有無を確認する
- 発作頻度に応じてホルター心電図、イベントレコーダーなどを検討する
- 疑われる病態に応じて心エコー、神経学的評価、血液検査などを選択する
確認・検討した項目
失神以外の一過性意識障害
追加の病歴や所見から、失神の定義と合わない点がないか確認します。
追加評価後のカルテ用まとめ
初期評価と追加確認を一つの文章にまとめます。カルテへコピー後は、初期評価画面の「入力をクリア」で破棄してください。
1 原因を知る
反射性失神とは
今回の症状は、診察で確認した発症時の状況や前後の症状、身体所見、心電図などから、反射性失神が考えられます。
反射性失神は、緊張、痛み、疲労、睡眠不足、脱水、長時間の立位などをきっかけに、血圧や脈拍を調節する反射が一時的に過剰に働くことで起こります。
血圧が低下して脳へ流れる血液が一時的に少なくなると、意識を失うことがあります。
2 自分のパターンを知る
起こりやすい状況と前兆
起こりやすい状況

長時間の立位・人混み

暑い場所

水分不足・空腹

緊張・恐怖・痛み・採血

排便・排尿時
または直後

入浴後・サウナ後
ほかに、疲労、睡眠不足、飲酒後、強い咳のときにも起こりやすくなります。自分の発作がどの状況と結びつくかを振り返ってください。
失神の前兆
- 目の前が暗くなる、見えにくくなる
- 冷や汗、吐き気
- 顔色が悪くなる
- 頭がぼんやりする、耳が遠くなる
- 力が抜ける感じがする
3 最優先の行動
前兆を感じたら、まず安全な姿勢を
- すぐに横になってください。
- 可能であれば脚を少し上げます。
- 横になれない場合は、その場で座るか、しゃがんでください。
- 我慢して歩いたり、立ち続けたりしないでください。
- 症状が完全に治まるまで、急に立ち上がらないでください。
4 安全姿勢と回避動作
倒れそうなときの4つの動作
横になれる場合は、安全な場所で横になることが最優先です。横になれない場合は、脚や腕の筋肉に強く力を入れると、一時的に血圧を保てることがあります。
横になり、脚を上げる
安全な場所で仰向けになり、可能なら脚を少し上げます。

脚を交差し、下半身に力
両脚を交差させ、脚、お尻、お腹に強く力を入れます。

こぶしを強く握る
片手または両手を強く握り、腕の筋肉に力を入れます。

指を組み、左右へ強く引く
胸の前で指を組み、腕と肩に力を入れます。押すのではなく、左右へ引きます。
4 前兆が少ない場合
突然の転倒を防ぐことが重要です
前兆がほとんどない場合、筋緊張による失神回避動作を始める時間がないことがあります。
前兆が少なくなった、突然倒れるようになった、けがを繰り返す場合は、もう一度医療機関へ相談してください。
5 再発を減らす
日常生活でできること
- こまめに水分を取る
- 朝食を抜かない
- 睡眠不足や過労を避ける
- 暑い場所や長時間の立位をできるだけ避ける
- 長く立つ場合は、足踏みや脚の筋肉の収縮を行う
- 飲酒後は脱水や急な立ち上がりに注意する
- 症状が出やすい状況と前兆を記録する
- 血圧を下げる薬や利尿薬について主治医と相談する
6 安全のために
もう一度受診する目安
早めに相談してください
- 発作の回数が増えている
- 前兆が少なく、突然倒れるようになった
- 失神によりけがをした
- これまでと異なる発作だった
- 日常生活、仕事、運転に支障が出ている
緊急性を考える症状
- 運動中または横になっているときに失神した
- 胸痛、息苦しさ、強い動悸を伴った
- 意識がすぐに戻らない、回復後も様子がおかしい
- 強い頭痛、手足の麻痺、言葉の出にくさを伴う
- 大きなけがや頭部打撲をした
- 家族に若年での突然死がある
7 まとめ
今日覚えておくこと
- 自分の誘因と前兆を知る。
- 前兆があれば、まず横になる・座る・しゃがむ。
- 横になれない場合は、脚や腕に強く力を入れる。
- 我慢して歩いたり、立ち続けたりしない。
- いつもと違う発作や危険な症状があれば再受診する。
反射性失神:倒れそうなときの対処
診察で確認した発症時の状況や前後の症状、身体所見、心電図などから、反射性失神が考えられる方への説明です。
完全に意識が遠のいてからでは間に合いません。いつもの前兆を覚え、安全な姿勢を最優先にしてください。
- 冷や汗
- 吐き気
- 目の前が暗い
- 耳が遠い
- ふらつく
- 力が抜ける
1 まずは安全を確保する
安全な場所で仰向けになり、可能なら脚を少し上げます。
歩き続けず、その場で座るか、しゃがみます。
症状が完全に落ち着くまで休み、ゆっくり動きます。
2 前兆があるときの4つの動作

横になり
脚を上げる

脚を交差し
下半身に力を入れる

こぶしを
強く握る

指を組み
左右へ強く引く
脚や腕の筋肉に強く力を入れると、一時的に血圧を保ち、失神を回避または遅らせられることがあります。転倒しそうな場合は続けず、すぐに座るか横になってください。
2 前兆が少ない場合
失神回避動作を始める時間がないことがあります。無理に動作を行わず、発作の再評価と転倒・外傷を防ぐ対策を主治医と相談してください。
起こりやすい6つのきっかけ

長時間の立位・人混み

暑い場所

水分不足・空腹

緊張・痛み・採血など

排便・排尿時

入浴後・サウナ後
排便・排尿時は「状況失神」の代表的な場面です。入浴後は、熱による血管の広がり、脱水、立ち上がりが重なるため注意してください。疲労や睡眠不足が重なるときにも起こりやすくなります。
落ち着いてからの対応と再発予防
3 症状が落ち着いてから
症状が治まっても、すぐに立ち上がらないでください。
体調を確認しながら、いったん座位になります。
再び症状が出たら、すぐに座るか横になります。
4 再発を減らすために
- こまめに水分を取り、朝食を抜かない。
- 睡眠不足や過労を避ける。
- 暑い場所や長時間の立位を避ける。
- 長く立つ場合は、足踏みや脚の筋肉を収縮させる。
- 飲酒後は脱水や急な立ち上がりに注意する。
- 症状が出やすい状況と前兆を記録する。
5 早めに医療機関へ相談
- 発作の回数が増えている。
- 前兆が少なく、突然倒れるようになった。
- 運動中または横になっているときに失神した。
- 家族に若年での突然死がある。
- 失神によりけがをした。
- これまでと異なる発作だった。
- 日常生活、仕事、運転に支障が出ている。
6 次の場合は、すぐ救急要請
- 胸痛、息苦しさ、強い動悸を伴った。
- 意識がすぐに戻らない、呼吸がおかしい。
- 強い頭痛、手足の麻痺、言葉の出にくさを伴う。
- 大きなけがや頭部打撲をした。
上記に当てはまる、または緊急性があると感じた場合は、ためらわず救急要請してください。
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前兆を感じたら、まず横になる・座る・しゃがむことを優先してください。